当社は浄化槽の保守点検、管理をしております。保守点検は浄化槽の機能を常時、正常に維持するために、国家資格を有する当社の浄化槽管理士が行わせて頂 いております。お客様の中には、そもそも浄化槽って何?浄化槽の保守点検、管理ってどんなことをしているの?と疑問をお持ちの方もいらっしゃるのではない でしょうか。ここで簡単ではございますが、浄化槽と浄化槽の保守点検、管理の仕事内容をご紹介させていただきます。
≪ 浄化槽って何?どうして必要? ≫
浄化槽とはその名の通り水を浄化(処理)する設備のことです。 私たちが生きていくうえで、水は絶対にかかせません。家庭や各施設から出る生活排水(トイレ、台所、風呂、その他)は河川等に放流されます。生活排水を何 も処理をしない汚水のまま河川等に放流してしまうと河川等の水質汚濁が進行し、水環境に多大な悪影響を与えてしまいます。河川の水質汚濁が進行すると悪臭 を放ったり、そこに住む生物が死滅したり、また子供たちが河川で遊ぶこともできなくなります。農業用水も河川から引いています。汚染された水では作物の生 育によくありません。海に汚染された河川の水が流れ込めば赤潮の原因にもなり、海産物が汚染され、私たちが食べることもできなくなります。養殖もできなく なります。水道水として取水をする場合も水質汚濁の進んだ河川から取水すると、水道水として利用できる水にするまでに大変な時間を要します。
このように水が汚染されるということは私たちの生活に多大な悪影響をおよぼすのです。それらを防ぐために、河川等に放流しても最低限の水質汚濁ですむように生活排水を処理し、少しでもきれいな水にする設備が浄化槽です。
≪ 浄化槽の保守点検、管理って何をしているの? ≫
浄化槽はじつはとてもデリケートな設備です。浄化槽には様々なタイプのものがありますが、主に次の3つの工程で水を処理しています。まず液体と固体に分離し、分離された水を浄化槽内の微生物が汚れを分解し、汚れをある程度取り除いた水を消毒し、最後に消毒された水を河川等に放流しています。管理士は定期的に浄化槽を点検し、液体と固体が分離されているか、微生物は適切に働いているか、消毒の濃度は保たれているか、放流される水の処理程度など検査しています。また微生物の動きが弱ければ分解が進まないため(季節や温度によっても微生物の働きは変わる)微生物の動きを活発にするために酸素量を増やしたり、汚泥がたまりすぎていれば、浄化槽内で調整したりとさまざまな観点から、浄化槽が正常に稼働し、水の処理を行えているかをチェックしています。
このように浄化槽は定期的に人によって点検し、管理をしなければ正常に稼働し続けることが難しいのです。ほったらかしでは水の処理ができなくなるのです。
また法律でも浄化槽の管理者(浄化槽を保有者、占有者のこと)は保守点検の義務を負っています。しかし浄化槽の管理者が必ずしも浄化槽の専門知識を有しているとは限らないので、浄化槽の専門知識を有している浄化槽管理士が委託を受け、浄化槽の保守点検、管理を行うのです。また条例が制定された都道府県(保健所を設置する市にあっては市とする。松山市はこれにあたります。)にあっては、登録を受けた保守点検業者でなければ保守点検の委託を受けることができません。
浄化槽が機能していなければ川に汚水が流れ込み、こんな淀んだ水になってしまいます。
※ 語句説明 ※
BOD:「BOD」とは生物化学的酸素要求量のことで、汚濁の程度を表す指標の1つです。この「BOD」の数値が高いほど汚濁が進んでいます。